人を食う魔物と人身御供
どんな伝承か
どこか判らぬがある村のお宮には人を食う魔物が住みつき、毎年若い娘を人身御供に出さねば作物が全くできず災難が続くといわれていた。白羽の矢が当たった家では泣く泣く娘を差し出していた。ある年、犬を連れた旅のリクブ(六部)が通りかかり、村人の相談を受けて、まず魔物の正体を確かめようとお宮に泊った。夜中になると魔物が現れて襲いかかったが、修業を積んだリクブと、シッペイロクという大層強い犬とがこれに立ち向かい、ついに打ち倒した。確かめてみると大きな年を経た猿であった。以来その村では人身御供を出さずとも作物がよくできるようになったという。
原典より
後からその魔物を確かめてみると、大きい年を経た猿であった—— 河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史)
『河内町史 民俗編――昔話・伝説』は、河内町の町史の民俗編のうち、子守歌と昔話・伝説を収めた部分である。伝承者の名を添えた子守歌二編と、昔話と伝説の違いを述べた前置きに続き、継子譚・異類婚姻譚・和尚と小僧・愚か婿など全国に分布する型の昔話と、岩戸の観音、金峰山と飯田山、小野小町、弘法大師にまつわる土地の伝説を、第一話から第三十八話まで番号を振って並べる。多くの話には話型の名や類話の広がりを短く添える。