きつねの嫁入り
どんな伝承か
栃木県真岡市の芳賀地方では、雨上がりの夕方などに提灯に明かりをともしたような火の行列が進んでいくのが見られたという。この行列の正体を確かめようと人が後を追いかけても、行列の方が人の足よりも速く進んでしまい、そばまで近づくことはできなかった。だれも正体を確かめられないこの火の行列を、人々は「きつねの嫁入り」と呼んでいた。真岡では昭和一〇年ぐらいを最後に見られなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話(真岡市(編)・真岡市史)
『真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話』は、栃木県真岡市の市史民俗編から、第十四章「口頭伝承」の第一節「伝説・昔話」を収めたものである。大だら法師の足跡、釜淵の燈籠、大前堰の人柱、へび娘など、五行川・鬼怒川・小貝川の淵や沼、社寺にまつわる伝説と、タヌキやキツネに化かされた話を、既刊の民話集・伝説集と新たな採話から集める。冒頭に口頭伝承の参考文献を掲げ、各話の末尾に典拠を記し、結びの「まとめ」で話を河川・社寺・沼・動物の別に整理する。