屏風囲いの新仏に仕える少女
どんな伝承か
八丈島の隣にある小島では、亡くなって七日のあいだの死者をナマミョウジャと呼んだ。その間は位牌を小さな膳の上に据え、屏風で囲って線香と灯明を供え拝む。七日祀れば死者は神になるとされ、生魚を食べて精進を落とし、位牌を仏壇へ移した。この屏風の内で世話をする役は、まだ月のものを見ない少女か、月のものを終えた老婆でなければならないと決まっていて、家に適した者がいなければ、よその家の者に頼んででもこの掟を守ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。