煤ヶ谷の魔除けの弾丸
どんな伝承か
愛甲郡煤ヶ谷には「金と銀の魔除けの弾丸の話」が残っていた。それに付随して、山で野宿をするには魔物の通るような所にするものではない、などといっていたという。同じ系統の話は足柄上郡三保にも実話として伝えられている。鉄砲ブチの長七が丹沢山で野宿しようとすると、暗やみに行燈と糸引き車が現われ、きれいな着物の娘が糸をとりはじめた。長七は化物と気づいて撃つが娘は笑うばかりで、最後の一発を行燈めがけて撃つと真暗になった。翌朝、血を追って岩穴に入ると沢山の人骨が積まれ、奥に毛の白いムジナが死んでいたという。「山姥の糸車」の系統の話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(神奈川県(県史講座)・神奈川県の歴史・民俗講座)
『神奈川県の歴史 県史講座要録 第6(県下の民俗篇)』所収の伝説と昔話。神奈川県の伝説を、柳田国男の研究を踏まえて論じる。