四ッ角で行列を間違えた挟み箱担ぎ
どんな伝承か
西大竹から蓑毛へ嫁入りが決まり、行列を作って歩いて行った。挟み箱担ぎには気の利かない若い衆が多い。その日は大安で、平沢から横野へ行く祝言の行列と、秦野町の四ツ角の新貴亭のところでいっしょになってしまい、挟み箱担ぎは間違えて横野へ行く行列について行ってしまった。中宿では花嫁が角かくしや綿帽子など花嫁装束を着けるのに、道具の入った挟み箱がいつまでも着かない。四ツ角ですれ違ったからではないかと気づいて横野へ行ってみると、男は座敷に座り込んでいた。祝言が始まらないうちに夜が明けてしまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。