肥桶で茨を渡った柿盗みの知恵
どんな伝承か
秦野市に伝わる世間話。先進的な農家の青年が田んぼに富有柿を植え、盗まれないよう周りをバラ線とからたち茨で厳重に囲った。近所の悪知恵にたけた男が、しっかりした肥桶を見つけて来させ、それに両足を突っ込み、蔓を手に持って棘の上を歩いて渡り、柿をたくさん盗んで肥桶を元の所へ返しておいたという。その男は教育はなくても知恵が働き、かなりの財産をつくったと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。