夜這いの留守に堂が焼けた塞の神
どんな伝承か
秦野市横野に伝わる話。塞の神様が夜這いに出かけている留守のあいだに火事が起こり、お堂が燃えてしまった。そのとき、一つ目小僧の帳面も一緒に焼けてしまったのだという。同書が併せて載せる八沢の伝えによれば、一つ目小僧は師走八日の夜に家々を回り、子供たちの悪いところを帳面に書き連ねたうえで、それを道祖神に預けて帰るとされる。横野の話は、その預かった帳面が塞の神のお堂もろとも焼けたと語るもので、道祖神信仰と一つ目小僧の伝承が結びついた形になっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。