泣きが止まると参られた泣き地蔵
どんな伝承か
西大竹には泣き地蔵と呼ばれる地蔵がある。子供が泣き虫になったときにここへ参ると泣きがおさまるといわれ、かなり遠くからも参詣者が訪れた。幡を上げたり黒玉を供えたりし、賽銭も上がっていた。泣きが止まればお礼参りをするのが習いだった。由来については、野良仕事に気を取られて激しく泣く子を顧みなかった親が、帰りぎわに抱き上げようとしたときには子は息絶えており、その死を悲しんで供養に建てたのがこの地蔵だと伝える。別の説では、泣かせたまま死なせた子が夢枕に立つので、その霊が成仏するよう地蔵に祈ったところ夢に出なくなり、以来夜泣きに霊験があるといわれるようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。