女中が水鏡で化粧し命を落とした鏡田
どんな伝承か
下町と上町の境のあたりに、昔、この土地の大きな家があり、器量の悪い女中が奉公していた。嫁のもらい手もないと人にからかわれ、悔しさから毎日口紅や白粉をつけて身づくろいに励んだが、座敷ではできないので裏の田んぼの水面を鏡にしていた。主人がいつも裏で何をしているのかと後をつけ、田の中で化粧する女中を後ろからひょいと押すと、女中はひっくり返って気を失い、水の中で死んでしまった。それでその田を鏡田と呼ぶ。別の語りでは、大尽の家でこき使われた女中が水鏡に姿を映し、その田で死んだという。
原典より
そしてそれをね、ヒョイと後から押しちゃったんですね。—— 竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書のうち、第七章「口承文芸」の伝説・世間話を収めたものである。竜ケ崎地区で聞き取った狐のお産や狐に化かされた話、狐憑き、幽霊屋敷、生まれかわり、家の主の蛇、龍ヶ崎の大火、首吊り榎、神木のたたり、源頼政の旧跡、鏡田などを、話し手の口調のまま載せる。話の末尾には多く話者の町名と性別を記し、生年か採録日を添える。昔話の一部には「大成」の話型名を付す。