尻無沢の主が化した牛の首
どんな伝承か
西村山郡の間沢と鶴部のあいだは山路である。この鶴部に尻無沢という沢がある。水がたまってもどこへも流れる箇所がなく、いつの間にか乾いてしまうのでその名がついた。言い伝えでは、かつてここに大きな沼があり、主は蛇であった。近くに籠をつくる夫婦が住み、女房のふさは沼で水を汲み米をといでいた。ある日、米をとぐふさを沼の中から見ていた蛇が、いい女だと言って沼へ引き入れた。籠師の克助は大いに怒り、蛇の嫌う栗の杭を沼の縁に打ち込んだ。蛇は女房を返したが克助は打ち続け、苦しんだ蛇は牛の首に化して沼から飛び出し、空へ消えた。沼の水はまもなく涸れたという。
原典より
一〇番 ウワン・・・・28二二番 仙台ワラシ・・・・・・・・・44三五番 片眼魚………………59一一番油嘗赤児………………29二三番 即身仏………………………45三六番 女乞食………………61一二番 オトロシ・・・・・・…—— 東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承