大荒沢の弘法大師
どんな伝承か
米沢の西から福島の会津へ抜ける大峠の入口に、大荒沢の修験霊場がある。弘法大師が霊場を探してこの地へ来たとき、山に五色の雲がたなびいていたので、そこで護摩を焚いたという。護摩壇の跡には今も木が生えないと伝えられる。大師を案内したのは田沢寺の和尚広寿法印で、その子孫が大荒山を開き、奥の院に不動堂を建てた。一の木戸に多聞天、二の木戸に三宝荒神、三の木戸には不動明王と三十六童子が祀られる。霊場開きは毎年旧八月七日の朝から行われ、夜の十一時から大護摩の修行がある。奥の院の大滝へ参るには、二十一日の精進と三日間の別火の行が要るとされた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史)
『米沢市史 民俗編――伝説』は、米沢市が編んだ市史の民俗編から、第八章「口承文芸」第三節「伝説」を収めたものである。狐・河童・蛇にまつわる話、上杉家の家臣や弘法大師・源義経にちなむ話、沢・池・岩の由来、地蔵や不動尊の霊験、温泉の開湯譚、長者屋敷など、米沢とその周辺に伝わる伝説を一話ずつ短くまとめて載せる。全体を「鳥獣・草木」「人霊」「山・川・湖沼」「地蔵・社寺」「温泉・町・村」の五項に分け、遠山と田沢の七不思議も列挙する。