大漁と不漁を告げる脇野沢の夢見
どんな伝承か
脇野沢では夢見の良し悪しが重んじられ、鱈漁が好調だった頃はとくに縁起をかつぐ人が多かった。縁起の良い夢は大漁、金儲け、病気平癒を、悪い夢は不漁、金が出ていくこと、怪我、病気、死亡を告げるとされた。八月の脇野沢八幡神社の大祭の神楽の夢や、新築・新造の夢、歯の抜ける夢、犬に吠えられる夢は縁起が悪い。蛇はナガモノと呼ばれて富の象徴とされ、夢のなかで右から左へ渡れば金が入り、逆なら出ていくという。山仕事をする者のなかには、前の晩の夢が悪ければその日一日仕事を休む人もあった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史)
『脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承』は、下北半島の最西端にある脇野沢村の村史民俗編のうち、口承文芸を扱った第七章である。村で採集した一一七話の昔話の特色と語りの場・語り手、地名をめぐる伝説、人を化かすキツネや狐の嫁取り・仇討ちの世間話、夢の予兆をめぐる伝承、天候や豊漁・豊作の諺を収める。章を昔話、伝説と世間話、諺と言葉遊びの三節に分け、昔話には『日本昔話大成』の話型分類による対照表を付す。