馬に恋した娘とオシラ様
どんな伝承か
東北一帯で祀られるオシラ様の起こりを説く昔話が、脇野沢でも語られている。長者の美しい一人娘が飼っている馬に恋をし、姫と馬とは互いに愛し合うようになった。それを知って怒った父の長者は、馬を殺し、皮を剥いで捨ててしまう。姫は悲しみのあまり馬を求めてさすらううちに、やがて馬とともに天へ昇り、しばらくののちに蚕へ生まれ変わって天から降ってきた。両親がこの蚕を育てたことから養蚕が始まったという。姫と馬とは、オシラ様として祀られるようになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史)
『脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承』は、下北半島の最西端にある脇野沢村の村史民俗編のうち、口承文芸を扱った第七章である。村で採集した一一七話の昔話の特色と語りの場・語り手、地名をめぐる伝説、人を化かすキツネや狐の嫁取り・仇討ちの世間話、夢の予兆をめぐる伝承、天候や豊漁・豊作の諺を収める。章を昔話、伝説と世間話、諺と言葉遊びの三節に分け、昔話には『日本昔話大成』の話型分類による対照表を付す。