離縁された娘の髪が流れ着いた毛長堀
どんな伝承か
毛長堀、毛長川の名の起こりとして語られる話がある。昔、新里の娘が舎人の長者の家に嫁いだが、何かのことで離縁されてしまった。このまま実家へは帰れないと思いつめた娘は、世をはかなんで堀に身を投げた。それからというもの堀の水はたびたび荒れたが、ある夏、氾濫した水が引いたあとに、二間あまりもある長い髪の毛が岸辺に流れ着いていた。その後は堀もすっかり静まったので、この堀を毛長堀と呼ぶようになったのだという。
原典より
そんなある夏のこと、氾濫した水が引いたあと二間余の髪の毛が岸辺に流れついていた。—— 草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史)
『草加市史 民俗編――伝説』は、草加市史民俗編のうち「二 伝説」の章である。地名起源・塚・神々・地蔵・薬師・観音・その他の神仏・旅の僧・動物と妖怪の九節で、柿木や青柳の地名の由来、毛長神社の御神体、疣地蔵や火あぶり地蔵、雨乞いの龍、むじな大尽などを、『新編武蔵風土記稿』や縁起碑、土地の伝えによって記す。第十節「世間話」は狐・むじな・狸・雷獣の聞き書きを集め、話ごとに町名と話者の頭文字・生年を添える。