子授けと安産を願った九之坪の社寺
どんな伝承か
九之坪には、子授けや安産、病気の平癒を願って人々が手を合わせる社寺がいくつもあった。観昌寺の境内の明王堂に祀られるミョウオンサン(烏瑟沙摩明王)は、新屋敷の人々から子を授かる願いも、お産が軽く済む願いもかけられた。お産の無事を祈る先としては、ほかに上下新道の八幡社、庚申寺の庚申サン、西浦の人々が頼った松元院の六地蔵があった。庚申寺の本尊には、さまざまな病に効き目があるともいわれていたという。
原典より
安産祈願では西之保宝円寺境内にある日限地蔵(西之保)、九之坪上下新道八幡社(寺領、→『通史編1』四四八頁)、同庚申寺の庚申サン(→『通史編1』四九七頁)、同観昌寺の明王サン(新屋敷)、同松元院の六地蔵(西浦)、…—— 西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町の町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節をムラごとの十八項に分けて並べ、最後の項の五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。