多度神社の金幣・黒幣による雨乞い
どんな伝承か
ジゲの氏神や寺での雨乞いで雨が降らないと、九之坪や野崎、沖村などでは伊勢の多度神社へ代参を立てた。代参はたいてい三、四名一組で、御祈禱の後に御幣を受けた。御幣には金幣と黒幣があり、金幣は雨が降らなければ石ころでも降るといわれるほど効き目が強く、受けたら走って村へ帰るものとされた。途中で休むとそこに雨が降るので、リレーのように受け渡して走ったともいう。そのため普通に歩いて帰れる黒幣を受けることが多かった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町が編んだ町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節を大字ごとの十九項に分けて並べ、五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。