地名に残る雨乞いの千駄焚き
どんな伝承か
雨乞いには何十通りもの方法があったが、その最後の手段の一つが千駄焚きだった。村の一軒ごとに薪を一束ずつ持ち寄り、山の頂や原、祭場に集まって大きな火を焚くのである。東京の千駄ヶ谷という地名も、この行事の名残りだとされている。ただ空を仰いで祈るよりはいくらか理に適っているという説もあり、それは大きな火事のあとや激しい戦のあとにはよく雨が降った、という経験にもとづくものらしい。なぜ雨乞いに火を焚いたのかについては柳田國男の「千駄焚き」や『火の昔』に譲る、と著者は記している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。