押入れの乾板に出た天外と通力
どんな伝承か
大正二年三月二日、能力者の調子がよいというので夕方六時から実験をすると電報が入った。福来は元良博士の追悼会に出ていて間に合わず、後藤牧太らを連れて千駄ヶ谷の某医師宅へ着いたのは九時すぎだった。貞子は憤って一度は断ったが、夫の説得で実験に入る。ところが乾板を見ながら「五枚ある」とつぶやいた。高橋が自宅で使った残りの五枚を押入れに入れていたことに気づいた時には遅く、学者の持参した板は白いままで、天外と通力の文字は押入れの乾板の方に出ていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
念写発見の真相(山本健造・念写・超心理研究・1980年(昭和55年))
『念写発見の真相』は、飛騨に住む山本健造が著した福来友吉の伝記と学説紹介の書で、はしがきは昭和五十五年十一月三日付である。念写を発見した福来の幼少期から、東京帝大での透視・念写実験と追放、宣真女学校長・高野山大学教授の時代、仙台での晩年までをたどり、著者による高山市の福来博士記念館建設の経緯や六次元の原理を述べる。全十五章からなり、第二章に福来の論文「弘法大師の御霊影」を再刊のことばとともに収める。