田植えの夢は人の死の知らせ
どんな伝承か
全国の小学校を通じて行われた迷信調査には、農漁村の日常生活に関する禁忌も集められている。その第九十一例が「田植えの夢を見ると人が死ぬ」で、回答したのは山形県の農村調査校、南置賜郡窪田小学校であった。同じ項目には、外出して七日目に帰ってはいけない(秋田・千屋)、九のついた丑の日に餅をつかない(同)、忌中の間は海山へは行かぬ(秋田)、夜塩を家の中に持ち込んではいけない(茨城・山根)、四、九の日を嫌う(鳥取・山上)などが並ぶ。日や数を忌む禁忌が、暮らしの細部にまで及んでいたことがわかる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(迷信調査協議会(編)・日本の俗信・1949年(昭和24年))
『日本の俗信 1――迷信の実態』は、迷信調査協議会が編み、昭和二十四年に初版を出した迷信調査の報告書で、昭和五十四年に洞史社が復刻した。文部省が昭和二十一年に企画し、全国の小学校を通じて行った慣習状況調査をもとに、暦・日の吉凶・方角・妖怪・占い・民間療法・農漁業にまつわる迷信を統計と解説で扱う。第一章を古畑正秋・今野圓輔らの分担執筆とし、第二章に昭和二十四年度調査の手引、第三章に各地の言い習わし集、第四章に天文暦法の迷信の解明を置く。