酉の日の田植で火事
どんな伝承か
原典は稲作に関する俗信として田植えの例を十五挙げており、その第八例として長野県伍和(農村)の「酉の日に田植えをすると火事になる」が報告されている。前条の「辰の日に田植えをすると家内が死ぬ」と同じ土地の例である。原典は、伍和村のように辰の日には家内が死ぬといい酉の日には火事が起こるといって田植えを避けたなら、六日に一日は田植えができないことになると述べ、労力と水の配分という現実の制約と日の吉凶とが矛盾しないかを問題にしている。第三章の言い習わし集にも同文が長野(農)伍和の例として載る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(迷信調査協議会(編)・日本の俗信・1949年(昭和24年))
『日本の俗信 1――迷信の実態』は、迷信調査協議会が編み、昭和二十四年に初版を出した迷信調査の報告書で、昭和五十四年に洞史社が復刻した。文部省が昭和二十一年に企画し、全国の小学校を通じて行った慣習状況調査をもとに、暦・日の吉凶・方角・妖怪・占い・民間療法・農漁業にまつわる迷信を統計と解説で扱う。第一章を古畑正秋・今野圓輔らの分担執筆とし、第二章に昭和二十四年度調査の手引、第三章に各地の言い習わし集、第四章に天文暦法の迷信の解明を置く。