着たまま繕ってはならぬ着物の禁忌
どんな伝承か
文部省迷信調査協議会が昭和二十一年から全国の小学校を通じて行った生活慣習の調査で、福島県の都市を代表する福島市第六小学校から報告された言い伝えの一つ。着たまま着物のほころびや釦を縫ってはいけないという。山口・千葉・大阪の漁村からも同じ言い伝えが報告されている。同じ項には、着物は洗って干したらすぐ着ないで一度たたんでから着る、帯を着物にすると首がしまる(福井)、着物を左合せに着ると悪い、着物を縫う時片袖だけつけないことといった、衣服の扱いをめぐる禁忌が並んで掲げられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(迷信調査協議会(編)・日本の俗信・1949年(昭和24年))
『日本の俗信 1――迷信の実態』は、迷信調査協議会が編み、昭和二十四年に初版を出した迷信調査の報告書で、昭和五十四年に洞史社が復刻した。文部省が昭和二十一年に企画し、全国の小学校を通じて行った慣習状況調査をもとに、暦・日の吉凶・方角・妖怪・占い・民間療法・農漁業にまつわる迷信を統計と解説で扱う。第一章を古畑正秋・今野圓輔らの分担執筆とし、第二章に昭和二十四年度調査の手引、第三章に各地の言い習わし集、第四章に天文暦法の迷信の解明を置く。