北川の平に住み着いた平家の祖
どんな伝承か
北川の平は五戸ほどしかない山あいの小さな集落だが、ここにも平家の落人が住み着いたという話が伝わる。集落の宗家にあたる平守行の家の十四代前の先祖が、石槌ジヤクモ権現を守り神として奉じ、祖谷から名頃を越えてこの地にやって来て住み着いたのだという。平という地名を説明するために生まれた伝説だろうとみられている。
原典より
即ち、この部落の宗家である平守行氏の十四代前の先祖が石槌ジヤクモ権現を守護神として祖谷より名頃を越えてここに住みついたといわれている。—— 阿波木頭民俗誌――伝説・妖怪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
阿波木頭民俗誌――伝説・妖怪
『阿波木頭民俗誌――伝説・妖怪』は、阿波の木頭地方の民俗誌のうち、「八、伝説・妖怪」の節と、阿波の太布を論じた一篇を収めたものである。前半は北川・折宇・蟬谷などの平家落人の話、平家の皿泉、カマ(滝壺)の大蛇、山爺やアセゴノマン、フルソマ、怪火、狐、隣の槙山村の塚の伝説を、『郡誌』の記事と古老の話から述べる。後半は太布に関する文献を挙げ、祖谷と木頭での聞き書きと製品の調査から原料・製法・道具を記す。