冬温かく夏冷たい弘法様の七ツ井戸
どんな伝承か
昔、矢島村に弘法様が巡ってきたとき、このあたりの水は白く濁っていた。そこで弘法様が杖を突くと、きれいな水が湧き出したという。その水は冬は温かく夏は冷たい良い水で、村の人々は大いに喜んだ。七ツ井戸の名は井戸が七か所あったことによるが、製糸会社が深い井戸を掘ってからは、井戸の水が涸れてしまったと伝わる。
原典より
人々は冬あたたかく、夏つめたいよい水でよろこんでいた。—— 高崎市東部地区の民俗――伝説・昔話(群馬県民俗調査報告書 第20集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高崎市東部地区の民俗――伝説・昔話(群馬県民俗調査報告書 第20集・群馬県民俗調査報告書)
『高崎市東部地区の民俗――伝説・昔話』は、『群馬県民俗調査報告書』第二十集『高崎市東部地区の民俗』のうち、口頭伝承の章である。榛名湖に入って蛇となった木部姫、弘法大師の七つ井戸、慈眼寺近くの餓鬼坂、オサキ使いの家などの伝説と、うばすて山や和尚と小僧、火の玉や死の予兆の体験などを、話者の地区名を添えて収める。伝説・昔話・命名・諺の項に分け、村の姓やあだな、農事や天気にかかわる諺も採録している。