東京大地震の予言と青梅への避難
どんな伝承か
昭和三十八年のこと、筆者の知り合いだったある霊感占い師が、東京を大地震が襲うと言い出した。夏が終わる前に関東大震災ほどの揺れが東京一帯に来て、死者は何十万にも及び、オリンピックを開くどころではなくなるというのである。占い師は青ざめて身を震わせながら、東京近辺で最も岩盤が固く被害の少ないのは青梅のあたりだから、そこへ逃げよと説いた。信者の中には、家財をまとめて青梅の宿に身を寄せた家族が幾組もあった。だが地震は起こらず、オリンピックも何事もなく終わった。後で筆者が地震はどうしたのかと問うと、占い師は、被害が大きすぎるので神々が相談して当分取りやめにしたのだと、少しも悪びれずに答えたという。
原典より
だから、その信者たちは、真剣になって荷物をまとめ、青梅の宿屋に避難した数家族もいた。—— ノストラダムス大予言の秘密――1999年7月はたして人類は滅亡するか(高木彬光・文華新書・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ノストラダムス大予言の秘密――1999年7月はたして人類は滅亡するか(高木彬光・文華新書・1974年(昭和49年))
『ノストラダムス大予言の秘密――1999年7月はたして人類は滅亡するか』は、高木彬光が昭和四十九年に著し、日本文華社の文華新書として出た予言批判の書である。五島勉の『ノストラダムスの大予言』の一九九九年人類滅亡説に反論し、ロバーツ版の原詩を訳し直して的中率や解釈の食い違いを検討し、著者自身の占い歴や高島嘉右衛門・出口王仁三郎にも触れる。十四章から成り、予言書は三七九七年までを語るとの結論を示し、巻末に参考文献と奥付を置く。