事故で三カ月眠り見た三途の川
どんな伝承か
青梅市の山本江里子は二十七歳。十一年前の一九八四年八月、交通事故で瀕死の重傷を負い、三か月ものあいだ意識が戻らなかった。当時は高校二年生で、夏休みに立川の駅ビルの喫茶店で働いていた。自宅から三百メートルほどの交差点で信号待ちからスクーターを出したとたん、左から突っ込んできたダンプカーにはねとばされたという。ヘルメットをかぶっておらず、頭部を直撃されたうえ十メートル先の路面に叩きつけられ、頭蓋骨が折れて脳の一部が外に出るほどだった。母の和子によれば、医師は手の施しようがないと言い、手術後も助かる見込みは三パーセントと告げた。集中治療室に五十日いた末、十一月にようやく片目が開いたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
証言・臨死体験(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・1996年(平成8年))
『証言・臨死体験』は、立花隆が文藝春秋の雑誌『クレア』に連載し、一九九六年に単行本として刊行した臨死体験の証言集である。俳優の安田伸、作家の水上勉、彗星探索家の木内鶴彦、プロレスラーの大仁田厚、映画監督の羽仁進など、病気や事故で死の淵に臨んだ二十三人の体験を、本人や家族からの聞き取りで記録する。各章は人物の略歴と前置きに続けて問答形式の談話を載せ、本人の著書や手記からの引用も交える。