旅人が憩った天満神社前の枳殻浄水
どんな伝承か
枳殻浄水は杉本町の天満神社の神前にあった。今は県道になってしまってすっかり形をとどめないが、以前は枳殻(カラタチ)の木が浄水の上に枝を張っていた。浄水は一坪ほどの四角な池で二つあり、上の浄水には絶えず清水がわき出ていた。道を行く人はこの水を飲んで一休みし、とくに浜から来る魚商や荷車を引いてきた人たちは、いつもここで池を眺めながら昼食をとった。下の浄水では顔を洗ったり手を清めたりして、ここは道行く人の憩いの場所であった。
原典より
枳穀浄水は杉本町の天満神社の神前にあった。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。