大水を呼んだ原山の貝殻
どんな伝承か
江戸の末に長雨が続いて大水が出たとき、原山の谷が一部崩れ落ち、大小さまざまな貝殻が押し流されてきた。村人はこれを貝殻の仕業だと考え、龍が天へ昇るために雲を呼ぶのと同じで、貝殻が海へ出ようとして水を呼んだのだと語り合ったという。この一帯は大昔は海か沼だったといわれ、その名残の貝なのか、先住の人々が捨てた貝塚なのかは分かっていない。名蹟考にも原山の岩に貝や海藻が付いていると記され、波寄せ岩と呼ぶ岩も残っている。
原典より
江戸時代の末期に、空前の大雨が降り続いて大水が出たことがある。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。