薪にされかけた大歳権現
どんな伝承か
出口の斎藤彦右衛門家の先祖が川で洗濯をしていると、木片が流れてきた。薪にするつもりで持ち帰り、乾かしてクドヤに置いた。ある日の夕暮れ、旅の僧が一夜の宿を求めて訪れたので泊めてやる。あるじがもてなそうとその木をくべかけると、僧は驚き、それは仏体で大歳権現であるぞ、もったいないことだと叱るなり、姿を消してしまった。あるじは恥じ入ったが、木はすでに右手が焼けていたため大工に修理させ、堂を建てて安置した。のちに治良兵衛が社殿を建て、出口と木引の氏神とした。今は中野神社に合祀されている。
原典より
出口の斎藤彦右衛門家の祖が川で洗たくをしていると、木片が流れて来た。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。