きつねつつじが咲いた狐塚
どんな伝承か
二丁掛町の東北の田の中に、土まんじゅうのような小山がある。小字名を狐塚といい、氏神である稲荷の使いの白キツネを葬った場所と伝えられ、みだりに手を入れると祟りがあるとして村人は近づかなかった。あるとき一人の農夫がここへ桃の木を植えると、一つの花に二つずつ実がなる異様な木になり、しかも農夫は髪が抜けて「たいわんぼ」を病んだので、神官を呼んで祓いを受けた。以後は桃をやめてつつじを植え、四、五十年前までは大株に育って黄色い花を咲かせ、村人はきつねつつじと呼んだ。昭和四十二年の土地改良の際、塚も神主の祓いを受けて整えられ、今は田地になっている。
原典より
二丁掛町の東北の田の中に土まんじゅう型の小山がある。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。