屁売りじいさ
どんな伝承か
むかし、おじじとおばばが自分の家の便所の屋根を葺いていると、藁の中に稲の穂が一本まじっていた。もったいないというので家へ持ち帰り、炒って石臼で挽き、炒粉にして二人でなめていた。するとおじじの腹がむずむずして、「ぶいすここい、ぶいすここい、じいじの宝のチーンチョチンチョ」という面白い屁が出た。もう一つひねると「栗がら稗がらスッポンポン、こごめのザラザラ、ペンペンペン」と出た。おじじはこの屁を売ると言って町へ出、座敷に上がって屁をこいてみせると、町の人が面白がって次々と金を投げてくれ、懐いっぱいの金を持って帰ったという。
原典より
むかしむかし、おじじとおばばが、自分の家のカンショ(便所)の屋根ふきしとったら、屋根葺きのワラの中に、稲の穂が一本まじっとったとい。—— 鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史)
『鹿島町史 通史・民俗編――伝説』は、鹿島町の町史通史・民俗編のうち、昔話と伝説の節と、続く「俗信と俚諺」の冒頭を収めたものである。石動山麓と邑知地溝帯の集落で聞いた話を、芋掘り権兵衛や屁売りじいさなどの昔話、亀塚や椀貸穴などの自然伝説、初瀬の観音様や井田の不動滝の信仰伝説、久江の道閑や村境を決めた話の歴史伝説に分け、在所名を添えて載せる。伝承の状況や語り始めと結びを述べた解説を前に置く。