おひねりの霊験と死病が治った老婆
どんな伝承か
明治の末、大本の教勢を支えたのは病気なおしの霊験だった。病人には「お土」「ご神水」「お松」「おひねり」が授けられた。お土は清められた場所の土を水でやわらげて患部に塗るもの、お松は神前に供えた松葉を煎じて飲む民間療法である。おひねりは、ナオが神に祈って「うしとらのこんじん」と墨で書いた紙片をたたんでひねった御封で、病人に飲ませた。生き神と仰がれたナオについては、おひねりの霊験のほか、一緒に風呂に入ってもらっただけで死病が治った老婆の話なども口伝えに広まり、おかげを求めて入信する者が相次いだという。
原典より
“おひねり”はナオが神に祈念して「うしとらのこんじん」と墨書した紙片をたたんでひねった御封で、病人に服用させた。—— 出口王仁三郎(村上重良・村上重良・近代民衆宗教史・1973年(昭和48年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
出口王仁三郎(村上重良・村上重良・近代民衆宗教史・1973年(昭和48年))
『出口王仁三郎』は、村上重良が昭和四十八年に著した大本教の指導者出口王仁三郎の評伝である。丹波穴太村の小作農の家に生まれた上田喜三郎の生い立ちと修行から、出口直との出会いと大本教の拡大、大正維新と不敬事件、『霊界物語』の口述や入蒙、昭和神聖会と大弾圧、法廷での闘い、晩年までをたどる。「故山の夢」「道の大本」「人類愛善」の三章に分けて叙述し、巻末に略年譜と参考文献を付す。