陸奥へ飛んだ百合若の鷹と寺
どんな伝承か
北九州の沿岸に異国の海賊が出没し、藩主百合若公光の子公如が征討の大将として軍船五十隻を率いた。公如は海賊に圧勝して玄海島で祝宴を開いたが、仮眠のすきに家臣の別府兄弟に裏切られ、島に一人置き去りにされる。兄弟は公如の戦死を偽り、口封じに奥方の春日姫を殺そうとした。姫は愛育していた鷹の足に兄弟の悪行を記した文を結んで放つ。一羽は方角を誤って陸奥へ飛んで死に、一羽は玄海島に届いた。帰国した公如は苔丸と名を変え、箱崎八幡の芸射の場で兄弟を討った。陸奥へ飛んだ鷹の話が鷹硯寺の伝説だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。