胡瓜の蔓で戦に敗れた神の触れ
どんな伝承か
神当部では、ぎょんどさんの神である尊様が戦をしたときの言い伝えが残る。この村だけは棚を組んで胡瓜を育てており、ほかの集落は地に這わせていた。そのため牛にまたがって戦う尊様も味方の武士たちも、胡瓜の蔓に足をとられて転び、ひどく難儀したあげく戦に敗れたという。尊様は村人へ、今後けっして胡瓜を作ってはならないと触れを出した。以来この部落で胡瓜を育てる者はなく、多くの家は買うか、よその集落からもらってすませている。二、三軒が作る場合も棚は組まず地に這わせるだけである。胡瓜を作って災難に遭った話も語られ、作らないので落雷がないとも伝えられている。
原典より
むかしむかし、ぎょんどさんの神様である(すきのうのみこと)様が戦をなさった。—— 日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。