藤団子と畑等家に伝わる守り仏
どんな伝承か
水橋の北岸に畑等四郎左衛門尉という百姓がいた。先祖は都を落ちて農業を営んでいたという。文治年中、源義経の主従十四、五人が山伏の姿に身をやつしてこの地へ来て浅瀬を尋ねた。四郎左衛門はその夜ひそかに家へ泊めてもてなし、弟に越後の寺泊まで送り届けさせた。義経は志の深さに感じて、身に添えていた十一面観世音の守り仏を厨子ごと贈り、静御前も唐綾の上着と唐鏡、履を与えたという。いまも二月下旬に家ごとに団子を作って軒に飾り、これを藤団子と呼ぶ。唐鏡と仏は畑等家に伝わり、上着は社に祀られていると記す。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。