夢告で橋になった石地蔵
どんな伝承か
上市町の宮川、石仏の村の中ほどに石地蔵が立っている。昔の街道筋にあたり、村へ入る者もよく道を間違えて迷ったという。ある静かな晩、地蔵が村の老婆の夢枕に立ち、自分をあの川の橋に作り変えてくれるよう村人に話してほしい、橋の上に立てば通る人の心に行くべき道が浮かぶだろうと告げて消えた。翌朝、老婆が村人と相談して分かれ道の橋にしたところ、以来道に迷う者はなくなり、村は明るくなった。のちに村人が材木を運ぶ折、材木がぶつかって橋の石が割れてしまい、職人を頼んで直し、割れた石は祠に納めて祭り、八月二十四日に地蔵祭りをするようになったという。
原典より
上市町の宮川の石仏の村の中央に地蔵がみえる。—— 日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。