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一夜で苗を植えた田植地蔵

所在地福島県福島市山田高倉(延命地蔵堂)
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典日本伝説大系 第3巻

どんな伝承か

山田の高倉にある延命地蔵堂は、土地の人々から田植地蔵さまといわれて親しまれている。堂の中には木像の地蔵が何体か祀られている。昔、山内は田植えの時期になっても水が少なくて困っていた。その年も水不足で、とくに地蔵堂の近くの何枚かの田は水がなくて植えられないでいた。ところがある晩のうちに、これらの田に苗が植えられていた。誰の仕業かと人々が言い合っていると、地蔵堂の石段に小さな泥の足跡が乱れて付いているのが見つかった。堂の扉を開けてみると、中の地蔵の足には全部泥がついていたという。それから人々はこの地蔵を田植地蔵さまと呼び、田植えの時期には各家が一体ずつ借り受けて座敷に安置し、豊作を願うようになった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。

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