トップ > 兵庫県の伝承 > 佐用町

壺から生まれた流れ子と大坪の名

所在地兵庫県佐用郡佐用町大坪
年代伝承(口承)
登場流れ子
出典日本伝説大系 第8巻

どんな伝承か

むかし洪水があり、佐用川に川上から大きな壺が流れてきて岸に止まった。里人がふたを開けると、中から五、六歳の男の子が出てきた。人びとは「流れ子」と名づけて育て、流れ子は賢く育ち、自分の乗ってきた壺で酒を作った。一口飲めば百病がたちどころに治る酒で、家は富み村も栄えたので、壺の徳だとして村の名を大坪と呼ぶことになった。ある年の水無月のころ、柿色のかたびらを着た老人が訪ねて来て、流れ子は旧知のように壺を家のまん中に置き、酒を飲み歌い舞った。ところがその日の夕暮れ、激しい風雨に雷が鳴りひびいて山はくずれ、流れ子の家は跡かたもなくなっていた。大坪の人びとは以後、柿色のかたびらを嫌うようになった。

原典より

むかし、洪水があって佐用川一面にあふれる水がとうとうと流れていました。—— 日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第8巻』は、黄地百合子・酒向伸行・田中久夫が滋賀・京都・兵庫の三府県を分担して執筆し、福田晃がまとめた伝説集である。丹波の湖を神々が切り開いた国造りの話、神同士の争い、英雄や長者の盛衰、蛇と人の話、魚・鳥・石・塚・祠堂の由来などを、各地の口承や記載資料から集める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、高木敏雄・柳田国男の対応する話名を付す。

種別から探す

盛衰地名由来

佐用町の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『日本伝説大系 第8巻』の伝承