舟橋で迎えた今浦の四季桜
どんな伝承か
鳥羽の今浦には、昔、目通り一丈もある四季桜があり、一年じゅう花が咲き乱れていたという。坂上田村麿がその名木のことを聞き伝え、はるばるこの地まで見に来た。里人はそれを名誉なこととして、海岸から桜のある所まで舟を百艘浮かべて並べ、その上に板を敷いて船橋をこしらえ、田村麿を通したという。今もこの地には田村家、板敷という名が残っていると伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。