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蟻に糸を通させた中将と長滝の社

所在地大阪府泉佐野市長滝蟻通(蟻通神社)
年代伝承(口承)
登場蟻通明神
出典日本伝説大系 第9巻

どんな伝承か

蟻通神社は長滝の東方、字蟻通にある。祭神は詳らかでないが社伝は大名持命とし、古くから知られた社で別の縁起も伝える。昔、唐の主が日本の知恵を試そうと、七曲がりの細い穴を持つ玉環を贈り、これに緒を通して返せと求めた。当時の帝は若い者ばかりを重んじて老人を捨てさせていたので、朝廷の誰にも手立てがなかった。ある中将は密かに老いた父母を土の室に養っており、父に相談して、蟻の腰に細い糸を結び、穴の一方に蜜を塗って蟻を入れた。蟻は蜜の香をたどって反対の口から出てきた。これを唐へ送ると、以後そうした難題は止み、老人も捨てられなくなった。その中将を神と崇めたのがこの明神だという。

原典より

〔類話]蟻通神社は東方字蟻通にあり、祭神は詳ならざれども、社伝には大名持命なりといひ、古来有名の神社にして、別に復た異趣の縁起を有せり。—— 日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。

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