人柱となった千代松長太郎と加護池
どんな伝承か
上瓦屋の加護池は、もとを籠池といった。水を溜めても籠のように抜けてしまうことからその名が付いたという。これを憂えた村人の千代松長太郎は、堤を築き直す折にみずから人柱となった。以後、水が抜けることはなくなり、池の水は長く田を潤して村を救った。そこで池の名を加護池と改め、長太郎の霊を水分神社・長太郎様と称して祀った。二百年ほど前のこととされ、その霊は今、坂口町の村社春日神社に合祀されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。