入鹿の首が落ちた曽我の落って屋
どんな伝承か
近鉄真菅停留所の付近に大きな森があり、広く曽我森と称して曽我都比古神社が鎮座する。俗に入鹿宮といい、蘇我氏の祖石川宿禰がこの地を賜って姓を蘇我としたと伝え、地名に曽我殿・曽我堂が残る。氏子は隣村小綱と同じく、藤原鎌足を祀る談山神社のある多武峰へは参拝も婚姻もしなかったという。森の北西一帯には塚が十三あって中曽司の十三塚と称し、蘇我・藤原両氏の戦死者の塚だという。殺された入鹿の首が飛んで落ちた家は落って屋、付近の橋は首落橋とよばれ、首はさらに大和と伊勢の国境の高見山へ落ちたと伝える。
原典より
<高木 「大和国の山々」〉大軌(現在近鉄)沿線真菅停留所の付近にかなり大きな森がある。—— 日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。