鎮座祭と大元・大頭に祀る鞍職
どんな伝承か
明神がはじめてこの地に鎮座されたのがいつかは、詳しくはわからない。祠官の伝えるところでは、昔この郡に佐伯鞍職という者がおり、朝廷への奏上を経て廟の祀りを始めた。推古天皇の端正五年癸丑十一月十二日のことだという。この伝えは国史には見えないけれども、今も毎年十一月の祭を鎮座祭と呼び、大元・大頭の二社がともに佐伯鞍職を配して祭っているのだから、由緒のないことではあるまい、と芸藩通志は記す。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。