白狐の子と伝わる厚狭の寝太郎太良
どんな伝承か
宇多天皇の御世、鴨之庄に太良という人がいた。父は異人で、田を開く企てを語ったかと思うと白狐の姿になったという。太良は昼夜眠り続けていたため厚狭の寝太郎と呼ばれたが、やがて溝をつけて大井手を築き、千町ヶ原へ水を引いた。水口から稲を一把ずつ取って安楽に暮らし、荒神・稲荷大明神として祭られ、二百十一歳で死んだと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。