古草鞋の砂金で千町田を拓いた寝太郎
どんな伝承か
昔、厚狭に金持ちの庄屋がいた。一人息子の太郎はよく眠るので村人から寝太郎と呼ばれ馬鹿にされていた。三年三か月眠り続けたのち起き出した寝太郎は、父に千石船を作らせ、古わらじを満載して佐渡島へ渡った。はき古したわらじを新品に替えると言いふらし、集めた古わらじを持ち帰って大桶で洗うと、土に黄金が混じっていて大金持ちになった。その金で海を埋め立てて灌漑用水路を作り、千町田を開いて村人に分け与えたので、村人は寝太郎を神に祭ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。