八幡様を騙って長者の娘を得た藤五郎
どんな伝承か
河田の寝太郎藤五郎は、朝から晩まで食べては寝るばかりの怠け者だった。母に叱られた日、山へ入って鳥を生け捕り、紙を貼りつけ鈴を結んで飾り立てる。翌朝、隣の長者の屋根に登って主を呼び出し、自分は八幡様だ、娘を藤五郎の嫁にやれと告げて鳥を放った。鳥が鈴を鳴らし五色の紙をひらめかせて飛び去るのを見た長者は逆らえず、藤五郎の家を建て直し、山も田畑も付けて娘を嫁がせた。こうして藤五郎は一度に分限者になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。