石を投げ合った高御倉神と素盞嗚尊
どんな伝承か
府中市に伝わる話によれば、高増山は虚空蔵山ともいい、高御倉神が天降った地とされる。高御倉神とスサノオの命が誓いを立て、スサノオの投げた大石は向永谷の吹山に、高御倉神の投げた石は戸手村江熊の里にとどまったという。向永谷の石は千五、六百貫の重さがあり、今も神として祀られ、この地では疫病が流行しないと伝わる。二神が渓流で身を清めた際に蛭に足を吸われたため、以来この谷の蛭は人の足に吸いついても血を吸わないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。