住吉明神と小式部産湯の井戸
どんな伝承か
水谷の里に鎮まる住吉明神は、海上を守る神として、また歌の道の神としても崇められてきた。和泉式部は高草郡湖山の里の生まれで、京で橘道貞に嫁したのち、身重の体で故郷へ戻り、この社に参籠したという。近くの民家に宿を取って十七日の参拝を重ね、満願の夜に天女のような女児を産んだ。血忌みの期間を終えると母子ともに湖山へ帰った。社頭の下、西側に小式部産湯の井戸と呼ばれる井戸が残るが、そのとき用いた水を汲んだ場所だと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。