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香林寺の墓中で生まれた通幻

所在地鳥取県岩美郡岩美町大字浦富(香林寺)
年代伝承(口承)
登場岩渕長者の娘、通幻
出典日本伝説大系 第11巻

どんな伝承か

岩美の浦富にある香林寺での話である。六百年ほど前、一人の旅僧が境内を通りかかると、墓地の方から赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。耳を澄ますと声は墓の下から立ちのぼっている。僧が村人に尋ねると、毎夜どこの誰とも知れぬ若い女が飴を買いに来ては見失われるという。身重のまま死んだ者はいないかと問えば、岩渕長者の娘が臨月に子を産まぬまま亡くなったと答えた。墓を掘り返すと、果たして男の子が生まれていた。僧はこの子を長者から譲り受け、十四で能登の総持寺へ送って修行させ、通幻と名を改めさせた。のちに名高い高僧となり、天下に関わる寺も多く残したという。

原典より

<高木——「頭白上人」 柳田——「赤子塚」「竜泉寺」>因幡国岩美郡浦富村の香林寺というのがある。—— 日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。

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