いたんどさんと呼ばれる堤の地蔵堂
どんな伝承か
一畑電鉄の大寺駅から斐伊川の堤防までは三百メートルほどあるが、堤防の上り口の道端の一本松のそばに、いたんどさんと呼ばれる地蔵堂がある。数百年前、斐伊川の堤防はよく決壊した。工事の人夫の中から人柱を立てようという声があがり、袴に継ぎを当てた者にしようと決まったが、調べてもそんな人夫はいない。そこへ一人のいたみ売りがやって来て、調べると人柱の条件にぴったり当てはまった。人々は嫌がるのを無理やり穴に落として埋めてしまい、それ以後堤防が切れることはなくなった。土地の人は霊を慰めるためこの地蔵堂を建てたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。