四つ角の魔物は三つに割れた石
どんな伝承か
隠岐郡都万村では、油井の入口にある四つ角に魔物が出るという評判が立ち、女子供は恐ろしがって外へ出られなくなった。そこで一人の若者が、夜中に新調の名刀を提げてその場所へ出向いた。しばらくすると物音がして何かが現れたので、すかさず斬りつけると、カチャンと大きな音が響いた。若者も気味が悪くなり、そのまま夜明けまでその場に留まっていたところ、明るくなって見れば大きな石が三つに割れていたという。その石は今もそこに残っていると伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。